青葉区で福祉が熱くなった夜!たまプラーザでフードプレゼン開催
神奈川県内5つの障害福祉事業所が商品をプレゼンし、それを来場者が聞き、実際に試食もして採点するイベント「審査員になろう!Food presentation」が1月19日(金)、たまプラーザの3丁目カフェで開催されました。
「特定非営利活動法人よこはま地域福祉研究センター」が主催する「審査員になろう!Food presentation」は今回で2回目。2017年3月に関内で開催されて大好評を得たイベントです。
その2回目が青葉区で実現したのは、障害者の就労支援や発達支援に取り組む「特定非営利活動法人エキープ」と、地域住民の活動を全力で応援してくれる「3丁目カフェ」という強力タッグのおかげ。会場には福祉従事者や障害児・者の家族に加え、フードビジネスやまちづくりに関わる人、行政の人の顔も見られ、超満員の中でスタートしました。
来場者全員に、5つの障害福祉事業所から出品されたお菓子が配られます。
<エントリー商品>
はたらき本舗(泉区)「生ブッセ~ボンヌ~」
かつら工房(栄区)ぷらさんぬ「カレーパン」
森の庭(磯子区)「抹茶黒豆甘納豆ケーキ」
mai!えるしい(逗子市)「ミックスクッキー」
えだ福祉ホーム(青葉区)「チョコガリバー」
プレゼンを担当するのは、障害を持つ人たちと日々接する、作業所の現場職員の皆さんです。商品の特徴やこだわり、製造工程、販売ルート、売上金額、今後の展開などを、プロジェクターに資料を映し出しながら紹介していきます。
ステージ横では、ゲスト審査員の株式会社グラディエ 代表取締役の磯村歩さんと、料理研究家の高橋典子さんも試食。主に磯村さんはマーケティング、高橋さんは味や触感など商品について、各事業者にコメントしていきます。
プレゼンですからもちろん時間制限あり。だらだらとは説明できませんよ。
会場の後方は、エントリー事業者の皆さんの席です。自分の順番を待ちながら、他の事業者さんのプレゼンを緊張の面持ちで見ています。
一般審査員として「味・安全性・デザイン・価格」の4つの観点で各商品を採点する来場者の皆さんも、真剣にプレゼンを聞いています。
主催側から事前に配られた参考データを見ながら、メモをとる人も。
こうしてプレゼンテーションを聞くと、民間と組んで販路を広げている商品、パッケージにもこだわっている商品、なるべく利用者だけで作業できるよう工程を工夫している商品、衛生面など安全性に特に注意している商品など、それぞれの特徴がよく分かりますね。
すべてのプレゼンが終わると、採点作業の時間を利用して、ゲスト審査員の講演が行なわれます。
料理研究家の 高橋典子 さんは、スイーツ業界の5つのトレンドを紹介。競争の激しいスイーツ業界で収益を上げていくには「福祉だから」という甘えは通用しません。味・見た目・健康など、消費者が望むものを届ける必要があります。「華やかに見えるスイーツ業界。ひとたび悪い評判が立てばあっという間に消費者から見放される。カリスマと呼ばれるような人も、皆さんと同じように影で努力をしています」(高橋さん)
株式会社グラディエ 代表取締役の磯村歩さんは、福祉とのコラボによる地域ブランド「futacolab」を手がけた方。「おいしいだけでは売れない。シチュエーションをしっかり考える必要がある」と話します。確かに民間と組まない限り、事業所の店舗や役所、社会福祉協議会など、通常の売り場は限られてしまいます。では、そこに買いに来る人はどんな人なのか。まさにマーケティングですね。またfutacolabの事例をもとに、「福祉を強みにする」アプローチも示してくださいました。
さあいよいよ、審査結果の発表。プロジェクターに採点結果のチャートと、「買う・買わない」の円グラフが表示されます。ほとんどの採点項目で、事業所の自己採点が審査員の採点より高く、やはり第三者の評価を取り入れることの重要性がここで現れました。
正直私も、これまで「言いたくても言い辛い」ということがあり、今回は記名式の採点シートにそのあたりも書きました。各事業所の商品が、ゲスト審査員や一般審査員から得た感想やアイデアをもとに、ますます商品価値を高めていってもらえるといいなと思います。そうすれば私たちも宣伝に協力しやすいし、イベントなどでも使いやすいですから。
青葉区は福祉が盛り上がらない、とも言われる中、これだけの思いを持った人が集まりましたよ!
イベントの終了後は懇親会が行なわれ、20数人が残って引き続き熱いトーク。スパイスアップも、今後に生かせる新しいつながりをたくさんつくる機会となりました。