地域で輝く ─ ボランティアグループ「はなみずき」

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「ボランティアはやらない」と言う人に会うことがあります。もしかしたら、「ボランティアはやってあげるもの」と思っているのかもしれません。あざみ野のデイサービスのボランティアグループ「はなみずき」の代表、近藤恵理子さんは、「してあげるのではなく、させてもらっているという気持ち」と言います。


一般に「デイサービス」と言えば、要介護認定を受けた方が機能訓練や交流を日帰りで提供する場所ですが、ボランティアグループ「はなみずき」のデイサービスは介護保険に関係なく受け入れています。入浴や送迎はありませんが、制度に縛られないスタッフの応対に「ようやくここに落ち着いた」という利用者も多いそうです。

スタッフは毎回、各レクリエーションの進行担当数人と受付、そして利用者一人または二人に対して一人がつきます。取材した日はスタッフのほうが人数が多いほど。あれこれやってあげるのではなく、後ろに座って利用者を見守り、必要なときに手を差し伸べます。

一人ひとりの席には、小さな花瓶に花がいけてあります。スタッフが庭から摘んできたもので、瓶ごとに表情が違うのがいいですね。

全員がそろったところで、時事ネタも織り交ぜつつ和やかにデイサービスが始まりました。

最初のレクリエーションは、このデイサービスの特長でもある歌の時間です。代表の近藤さんはご自身もバンド活動をされているミュージシャン。日本音楽療法学会の認定音楽療法士も取得し、はなみずきのレクに取り入れています。

利用者は、手渡された歌集から歌いたい曲を発表。中には「待ってました」とばかりに難曲を発表した人がいましたが、スタッフに聞けば「ここに通い始めた頃はまったく歌わなかったのよ」とのこと。歌いたくてうずうずしていたのに(笑)。

歌集には、童謡「富士の山」から、民謡「黒田節」、さらには歌謡曲「東京の花売り娘」まで。歌集のバリエーションもさることながら、利用者の選曲にも驚きました。それぞれ、きっと思い出のある曲なんでしょうね。当時のことを思い出してスタッフと談笑する光景もありました。

スタッフの中にはご家族の介護を終えた人もいて、「利用者さんは自分の親の世代だから」と話してくれました。こうして見ていると親子のようです。

はなみずきの結成は1997年。当初は地区センターで活動していましたが、抽選制の会場確保では定期的な活動ができないことから、縁あってケベック•カリタス修道女会の設備を借りられることになり移転。さらに2017年の閉館に伴い、現在はあざみ野東公園(あざみ野2-25)内にある「あざみ野会館」で活動しています。

活動日は、第2・第3・第4月曜日の月3回。本当は毎週開催したい。玄関の段差がなければ車椅子の方にも来てもらえるのに。荷物を置いておけると助かるのに。 ── 場所の確保は、はなみずきに限らずどのボランティア活動にとっても悩みどころです(どなたかいい場所をご存知でしたらご紹介お願いします!)。

けれども、場所が変わっても、毎週ではなく月3日になっても、バスを乗り継いだり、ご家族に送迎してもらったりして、利用者の皆さんはこの時間を楽しみにやって来ます。そして、こうした利用者の皆さんに感謝して、はなみずきは活動しています。

歌の後は、機能訓練も兼ねた簡単な体操です。頭を使いながら指を動かしたり、机の周りをリズミカルに歩きまわったり。歌の時間もそうでしたが、スタッフも一緒になって楽しそうにやっているのが印象的でした。自分の得意なこと・できることを生かしながら、支援する側・される側の垣根のない雰囲気が、はなみずきの居心地の良さを生んでいると同時に、スタッフの皆さんも一人ひとり輝いている理由だと思います。

みんなでお弁当を食べた後、この日は「表現のチカラ」のはだ一朗さんが防犯劇を披露。前半ははださんが特殊詐欺に立ち向かう刑事役を演じ、後半は特殊詐欺から身を守る三カ条を参加者に知ってもらうためのワークショップです。

舞台俳優のはださんは、特殊詐欺が巧みな表現で高齢者を騙していることに役者として怒りを感じて「表現のチカラ」を立ち上げ、全国で防犯劇を展開しています。横浜市では全18区での実施を目指しており、青葉区では「スペースナナ」に次いではなみずきが2回目です。

<表現のチカラ はだ一朗さんテレビ出演>
2020年4月18日(土)22:00~22:30
テレビ神奈川「吉田山田のドレミファイル♪」
http://www.tvk-yokohama.com/doremifile/

実は今回の取材も、はださんのお声がけで実現しました。「はなみずきさんはすごくいい活動をされているのでぜひ紹介して欲しい」とご縁をつないでくださったのです。

2020年4月8日現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、はなみずきの活動も休止を余儀なくされています。近藤さんは「皆さんお元気にされていますが、運動不足、会話不足で、ご家族の負担も増えて、苦労なさっています」と話し、利用者の皆さんとご家族を気遣っています。

会えなくても、はなみずきのスタッフの気遣いは利用者の皆さんに届き、また会えることを楽しみにされていると思います。その日まで今はただ、私たち一人ひとりが感染拡大予防を心がけながら、一日も早い事態の収束を願うばかりです。


地域には、はなみずきのように行政や民間のサービスでは支えられない部分を住民同士で支え合っている活動がたくさんあります。誰かを支え、次は自分が別の誰かに支えてもらう ─ 「恩返し」ならぬ世代間の「恩送り」によって、地域は続いてきました。

自分が暮らすまちに、自分を必要としてくれる人がいること、自分を気にかけてくれる人がいることが、どれほど心の支えになることか。この地に移り住んできた私自身、地域でプロボノ活動を始めたことでそれを実感しています。

共働き世帯が増え、ネットが普及し、地域とのつながりが薄れる現代、ボランティア活動は、地域での支え合いのきっかけとなり、自らの地縁をつくるツールとしてこれからますます大切になりそうです。「地元に知り合いができると煩わしいのでは」と思っている人もいるかもしませんが、そのうち気にならなくなります。それ以上に嬉しいことに出会えますから(笑)。

地域の活動で興味のある分野が見つかったら、ほんの少し勇気を出して飛び込んでみてください。「どんな活動があるか分からない」という方は、スパイスアップ編集部へお気軽にご連絡ください。


ボランティアグループ「はなみずき」(スタッフ募集中!)
お問い合わせ: 090 7827 8861 (近藤)

表現のチカラ(防犯劇の開催場所募集中!)
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柏木由美子

柏木由美子

かしわぎゆみこ(編集長) システムエンジニアを経て技術書籍や企業Webサイトの制作に従事。その後フリーランスに転向し、現在は兼業主婦としてIT企業を中心に取材・執筆を行う。地域活動として現在、通所介護(デイサービス)でのボランティアや、身近な自然をフィールドとしたイベントを企画運営する「かわもりあおば」、および定年退職後の地域参加をサポートする 「ボーイズクラブ」に参加。

地元のイベント・セミナー
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