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【アジャパ山の夕日はいつもオレンジ 04】アジャパヤマ・ロックシティ

和田 良太

<はじめに>
横浜北部の今・昔を“昭和40年男”がパパ目線で書くお気楽コラム。
ママ目線とは違ったやんちゃなテーマもフォロー。決して「昔は良かった」の懐古一辺倒ではなく、古きがあってこそ今を楽しめる~といった感じの温故知新コラム。ヒトもクルマも増える中、田園都市と言われる由縁の片田舎的牧歌ムードの良さを伝えられればと思って、キーボードを叩き始めました。

Vol.4 アジャパヤマ・ロックシティ

昭和40年生まれ。たまプラ育ち。
美しが丘小学校に入学するのは、1972年4月。これまで、コクガクイン、コザクラ、ミヤザキフタバといった幼稚園に通っていたたまプラエリア在住のコドモたちがそろって小学生に(ちなみにカエデは、3つ下の弟が1期生だからもう少し後)。近所には里山がいっぱいあって、現在のあざみ野、荏子田、美しが丘西あたりは冒険エリア。ザリガニやヘビ、カブトムシなんかを捕まえに行っていた。そんなコドモたちが、いつの間にか渋谷まで足を延ばすようになったりするのが1978年の中1くらいの頃。

▲1972年頃のお正月。山内公園と団地の間の空地が凧上げ場だった。

ちなみに小学生当時の田園都市線は、すずかけ台~大井町。低学年の頃は長津田までだったかもしれないけれど、つくし野、すずかけ台と延伸していった。電車の駅名を落語の「じゅげむ」のごとく順に覚えることが男子の定番。そして、あざみ野という駅は6年生になった頃にできて、それに合わせて山内地区センター・山内図書館も誕生した(1977年春)。さらに同じ頃、新玉川線が開通して、大井町ではなく渋谷行きも登場。しかも、中2になる1979年には、渋谷行きが現在のように本線となった。

と、そんな街と沿線の成長と同じように、ザリガニを捕まえていたコドモたちも成長。リトルリーグや部活に専念するタイプ、私立進学に集中するタイプなどなど。で、そんな中には、ロックを聴くようになったりギターを弾くようになったりするタイプも少なくなかった時代。たまプラの中央商店街にあった(現在はお好み焼き屋「こぐま」があるところの)レコード屋さん「カオリ」のスタンプを集めたりしていたけれど、渋谷の輸入盤屋「シスコ」なんかの存在を知って、たまプラでは売っていないレコードを手に入れる方法を見つけてしまったり(タワーレコード登場以前の話!)。

▲レコード屋「カオリ」があったところ(たまプラーザ中央商店街)。

あと、「ぎんざNOW!」などのテレビ番組が洋楽も紹介するようになり、FM雑誌の台頭もそんなコドモらにロックの洗礼を浴びせる。ラジオでオンエアされる曲をFM雑誌で事前にチェックして(テレビではなくラジオ番組表の雑誌が普通に売っていた時代!)、その放送時間を待ち構えて曲をカセットテープに録音していたのだから、好きな1曲を自分のものにする重みは現在とはずいぶん違う時代だ。地元ならではといえば、テレビ神奈川の音楽番組ばかりの編成もロック小僧育成の役割を果たしていたと思う。「ファンキートマト」「ミュージックトマト」などなど。夕方4時頃にも音楽番組が編成されていたのは完全に放課後の学生を狙ったのだろう。しかも「夕焼けトマト」は、MTV誕生以前なのでビデオクリップではなく資料フィルムをオンエアしていた。ある意味ロックの英才教育通信制(笑)。

そんな環境があるものだから、ギターを手にしてバンドを組むようなコドモも少なくなかった。ただ、当初は練習する場所が簡単には見つからない。憶えていることを成長順に書いていくと、①たまプラーザ団地の集会所を借りる。②山内地区センターを借りる。③知り合いの工場の一角を借りる、みたいなパターンを経て、高校生になる80年代には、すずかけ台にあった「エンジーハウス」と「つくし野スタジオ」にたどり着くのであった(北部学区公立高校生目線の話です)。①から③は、防音施設ではないから、いろいろ一悶着の思い出を心の内にしまっている同世代もきっと少なくないでしょう。地元あるある(笑)。

▲現在のあざみ野で営業中のアイランドスタジオ33のマーシャルアンプ

今、この横浜北部は大人の(オヤジの?)バンドも少なくないようで、たまプラ、あざみ野に限らず、夏祭りでは、オヤジバンドと若者のバンドが共存している状況を目にするし、「けいおん!」ブーム以降、制服でギターを担いでいる女子も度々見かける。あざみ野の「アイランドスタジオ33」も、予約でいつも埋まりがちなのを知っている。

ちなみに今年の11月には、元石川高校の4バンドが地域貢献活動の一環としてたまプラーザの3丁目カフェを借りて演奏を披露。大原櫻子、SHISHAMO、エド・シーランなどをコピーしていた。最近の傾向どおり、ほとんどのプレイヤーが女子だったのが印象的だった。

▲元石川高校地域貢献ライブ 11/17@3丁目カフェ

それにしても、昔と違って今は、披露する場があることが羨ましくもあり、大人目線でいえば、こういった場を大人がもっとたくさん用意してあげられたらと思う今日この頃なのだ。

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わだりょうた
わだりょうた
GMTエディター&ライター(GMT=地元)
横浜市青葉区在住50年。22年の雑誌編集・Web編集の経験を地元に還元すべく編集・執筆などをサポート。地元の成長・発展・紆余曲折ぶり諸々を体感している事情通ゆえ、地元の未来についても関心高め。 また、このエリア育ちのロック偏差値が実は高い(持論!)ことにも注目している音楽好きでもある。
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