アジャパ山の夕日はいつもオレンジ

【アジャパ山の夕日はいつもオレンジ 02】GMT Fes 地元の夏フェスへ

<はじめに>
横浜北部の今・昔を“昭和40年男”がパパ目線で書くお気楽コラム。
ママ目線とは違ったやんちゃなテーマもフォロー。決して「昔は良かった」の懐古一辺倒ではなく、古きがあってこそ今を楽しめる~といった感じの温故知新コラム。ヒトもクルマも増える中、田園都市と言われる由縁の片田舎的牧歌ムードの良さを伝えられればと思って、キーボードを叩き始めました。

Vol.2 GMT Fes 地元の夏フェスへ

というわけで、隔月連載の2回目。

前回触れた、駅前で行なわれていたたまプラーザの盆踊り大会は、もちろん現在も引き継がれていて、今年は7月29日(土)、30(日)に開催。やはりその様子に触れておかねば。とはいうものの、初日の土曜日はあいにくの天気で、午後からの強い雨であえなく中止に。翌日も「いつ降るかな?」という冴えない曇り空が気になったが、ぶらりと下駄を履いて出かけていった。

昔との大きな違いは、駅前でやっていた時のような夕方からの縁日&盆踊りだけではなく(Vol.1 たまプラ駅前のBON DANCE AREA 参照)、お昼頃から様々な催し物が行なわれている点。そして、何より会場が1か所ではなく、複数の商店街を合わせた街フェス級の規模となっていて、盆踊りの櫓は美しが丘公園の野球グランド内に設けられているのである。ま、この辺の説明は、今住んでいる方々にはお馴染みの情報。

ただ、昔目線で言えば、リトルリーグの練習でしか入れなかったあのグランドに櫓が建っていて、明るいうちから吞んでいるおじさん、はしゃぐ浴衣姿の小学生なんかで賑わう野球場内の様子は、信じられない光景だったりもするのである。と、ピッチャーマウンドのプレートを見つめながらシミジミと一杯目のビールを吞んでいたら、「平川」のはっぴを着た、これまた地元ではお馴染みの神輿軍団が、ワッショイワッショイと動き出した。そんな様子を、浴衣のコドモたちや親子連れのニューファミリーも楽しそうに眺めている。

いい感じいい感じ。

ちなみに、神輿軍団の中には、はちまき、はっぴ姿で身体を張って会場を盛り上げる同級生(男子だけでなく女子も!)の姿もちらほら。私なんかは半世紀も生きてきて、誰にも言えない本音の部分で「かなりの重量のあるものを、何処に運ぶでもなくただ持ち上げるなんて気持ちにはなかなかなれない」と思ってしまうのだが、そこで見かけた同世代の連中は、積極的にバリバリ動いていて、頼もしい限りである。

なんて話はさておき、美しが丘公園を後にして第2会場の「たまプラーザ駅前通り商店街」方面へ。イトーヨーカドーと生協の間の通りを歩行者天国にしたエリアでは、路面のフリマや商店街の面々による出店で賑わう。そして、美しが丘橋を渡って昔は「ママフード」やそろばん塾があったところで、謎の駄菓子屋「マツモト」の坂を下った辺り。今でいう「リカーショップ イズミヤ」や「Mira!」、「コボルバ」のある三ツ又の交差点で、サックスとドラム2名の3人組によるパフォーマンスが始まったところに出くわす。

なかなかイイ感じのグルーブ感。電柱に立てかけてあったタイムテーブルには、「菅沼孝三ドラム道場」という文字のみ。ただ、よく見ればもう一人の浴衣を着て激しいドラムを叩いていた女のコは、FUZZY CONTROL(ファジーコントロール)のSATOKOで、その彼女がMCでサックスの男性(湯本淳希さん)を「KinKi Kidsや関ジャニともやっているんですよ~」なんて紹介していて驚くばかり。

SATOKOは、今やドリカムのライブでは欠かせないドラマーとしても有名だし、「関ジャム 完全燃SHOW」(テレビ朝日)では、凄腕女性ドラマーとして紹介されるほどのテクニシャン。いやいや本当、通りすがりにすごいものを見ちゃいましたって感じ。なお、帰っていろいろ調べてみたらSATOKOは菅沼さんの娘さんで、湯本さんはその娘婿!なんと皆さんご家族で、まさにたまプラの“パートリッジ・ファミリー”()!菅沼孝三ドラム道場の本校は、新石川にあるので、まさに地元を家族一丸となって盛り上げてくれている感が伝わり感動感動。

それにしても、苗場ではYUKIやビョークがライブをやっているこの日に、地元でもこんな貴重な演奏を堪能できるなんて!?

この辺りにお住まいの方なら気付いている人も多いと思うけれど、たまプラの夏祭りって7月最終週の土日なので、見事にフジロックフェスティバルと日程がかぶっている。でも、地元の夏フェスもなかなかおつなもの。このようなライブ以外にも見どころはたくさんあるので、たまプラに限らず、こういった地元のイベントの細かいけれど貴重な情報は、もっともっと事前に広がっていって欲しいと思うのだ。今回は本当、見ることができてよかったよかった。眼福眼福。

編集部注:パートリッジ・ファミリー(The Partridge Family)は、家族で結成したロックバンド「パートリッジ・ファミリー」が全米をツアーするホームコメディ。70年代前半にアメリカのテレビドラマとして放映されて大ヒットとなり、日本でも「人気家族パートリッジ(ゆかいな音楽一家)」というタイトルで放映された。

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ABOUT ME
和田 良太
わだりょうた(GMTエディター&ライター(GMT=地元))横浜市青葉区在住50年。22年の雑誌編集・Web編集の経験を地元に還元すべく編集・執筆などをサポート。地元の成長・発展・紆余曲折ぶり諸々を体感している事情通ゆえ、地元の未来についても関心高め。 また、このエリア育ちのロック偏差値が実は高い(持論!)ことにも注目している音楽好きでもある。