【人物図鑑 15】染谷 裕太さん ─ 日々愛飲するコーヒーの指南役

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東急田園都市線青葉台駅バスターミナルから寺家町循環のバスに乗車し、寺家ふるさと村で降車すると、青色のドアの建物が見えてきました。寺家ふるさと村は家族連れで散策する方の多い地区で、ここはいつも人で賑わっています。平日の午前中、お客様でお忙しい時間でないことを願いながら扉をあけました。

今回ご登場いただくのは、森野屋酒店 平本裕治さんからのご紹介、BlueDOOR Coffee 店主、染谷裕太(そめやゆうた)さんです。華奢な丸フレームのメガネにナテュラルアースカラーのトップスの染谷さん。おはようございます。よろしくお願いします。店内はコーヒーの香りが充ちていて、ガランガラン!豆を焙煎する音が奥から聞こえています。

外に設置されたベンチには、お散歩途中に愛犬と一息つくためのリードを結び止めるリングがありました。木の質感とクールなステンレスやタイルが調和している店内には、飾られた絵や、壁に架けられた存在感のあるリース、棚などは同じものがありません。染谷さんが作家さんやご友人に依頼して揃えたものでした。天井から下がっている照明はガラス瓶を加工したもの。「あ、これは僕が作ったんです」。

◆やってきたスポーツはラグビー。でもガツガツや痛いことはお嫌い。

小学校2年生の頃からお父様の教えを受けてラグビーチームでボールを追っていた染谷さん。スポーツで鍛えた精神力や体力はさぞ強靭なものがおありだろうと伺うと、「痛いのは嫌いですし、ガツガツすることも苦手です。ガッツリ練習していた高校時代は辛かったですね。どちらかというと球技は不得意かもしれません。特に丸いボールを扱う球技は苦手です」。ラグビーボール以外、スポーツで使用する球はみな丸いですものね。これは大変(笑)。

「打たれ弱いし心配性です。子供の頃からラグビーのある生活が当たり前でしたから、途中でやめるようなことは考えていませんでした。大人になって始めたサーフィンが楽しいのですが、今は忙しいのでなかなか時間がとれません」。

(photo by Someya)

◆事業は必然の出会いの延長線上に展開

1997年からお父様が経営していらしたコーヒー卸の会社は、10年ほど前に焙煎する環境のいい現在の場所に移ってきたとのこと。染谷さんは大手珈琲店に勤務の後、焙煎の技術をお父様から学び、フレンチレストランで1年半ほど料理も勉強された後、現在のBlueDOOR Coffeeカフェスタイルの店舗をオープンされています。

2019年3月15日には、たまプラーザに2号店がオープン。その店舗設計を担当された HALFMOON の小栗さんご夫妻が来店されたところに居合わせました。家具作家のご主人様と建築家の奥様。工房がすぐお近くだそうで、お仕事を始める前の時間なのでしょうか、コーヒーを飲みにいらしていました。朝、パートナーとコーヒー専門店で打ち合わせをしながら仕事をスタートするなんて、なんて素敵なのでしょう。

「染谷さんは、制作していく上で大切な部分をしっかりと共有できるし、あとは任せてくださるんです」。コンセプトを共有できる方と理想の空間を創る打ち合わせのご様子を、少し一緒に聞かせていただきました。丁寧に焙煎されたおいしいコーヒーをいただける場所。2号店のオープンも楽しみです。

◆日本らしいコーヒー

どのようなことを大切に考えてコーヒーを提供していらっしゃるのかを伺ってみました。「コーヒーはこうだ、と決めつけるのは違う気がする」と染谷さん。サードウェーブコーヒーが台頭している中で、あえて古くから日本に浸透してきた、濃く焦げたように感じる味や少し冷めても美味しい味などの「日本らしさ」を大切にしたいとのこと。コーヒー豆を買い付ける人と飲む人の間に立ち、気候風土に合った焙煎を決めていらっしゃるようでした。

「前回お買い上げいただいた時と産地が違い、今回は少し酸味が強くなっています。よろしいですか?」次々に来店されるお客様に、たくさん並んだボトル毎の豆の特徴を説明されています。「どの豆が美味しく感じるか、色々試してほしいですね」。

◆選び決めていくこと

若い染谷さんですが、いつものように若い方へのメッセージをお願いしました。「SNSなどでさまざまな意見や情報が溢れている中で、周りからどう見られているかを気にしている人が多いですね。こういう自分でありたい、と自分を信用すること。それは仕事にも生きてくると思います。流される人が多いですが、『自分の芯を大切にする』ことです」。

お菓子も置いていらっしゃいますね。今後、地域イベントの参加・他業種とのコラボレーションやレストランへの発展なども考えていらっしゃいますか?「今、積極的には考えていません。ガツガツは苦手なので」(笑)。店内にはアクセサリーや布でできた人形も販売ディスプレイされています。ごちゃごちゃした印象になりがちなコラボも、Blue DOOR Coffeeでは自然に融合しています。

染谷さんとの会話によって日々味わうコーヒーの質はゆっくりと向上し、一つひとつ納得しながら出会うコーヒーの幅も広がるのではないかと感じました。そして、この居心地の良い空間が意図してコラボする仕掛けを作らなくとも、人を惹きつけ、繋がる場所になって人を癒す場所になっています。

ネーミングに魅かれて「里山BLEND」「緑風BLEND」をいただきました。豆だけでなく、寺家町の長閑な風景も一緒に持って帰宅したような気分でコーヒーをいただきました。実力のある人は決して威張らない。BlueDOOR Coffeeに、日々愛飲するコーヒーの質を高めてくれる達人がいます。

BlueDOOR Coffee
https://www.facebook.com/blue1door/

●本店
横浜市青葉区寺家町360
045-961-2410
●2号店
横浜市青葉区美しが丘2-17-12-B

(この記事内の数値データ、組織名、役職名、製品・サービス内容等は、取材時の情報です。)

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久保田誉子

久保田誉子

くぼたたかこ(ライター) 婦人服デザイナー、MD、バイヤーとして勤務の後、ファッション業界を目指す学生たちの就職支援に従事。2013年、横浜市青葉区区民企画運営講座「AOBA素敵ウォーキングコレクション」の運営委員となり、企画運営に参加。現在は地域活動の学校・地域コーディネーター、服育講座の講師も務めている。
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