コラム

今みんなで応援したい、たまプラーザ「街のはなし」書籍化プロジェクト

柏木由美子
(小冊子版 街のはなし vol.1~vol.9)

たまプラーザで2014年から活動してきた「街のはなし実行委員会」が、100人の住民から聞いた「まちの記憶」の書籍化を目指し、2022年9月10日までクラウドファンディングに挑戦しています。

100人のナラティブ・地域の変遷と社会の変化を伝える記憶を記録する本
たまプラーザ「街のはなし」書籍化プロジェクト(シンカブル)
https://syncable.biz/campaign/2643

「街のはなし」は民俗学だと私は感じています。街の風景が目まぐるしく変わり、新興住宅地の当時を語れる人も減ってきている今、”まちの記憶”を未来へ伝承するかけがえのない活動だと思います。支援の輪がまちの中に少しでも広がればと願って、応援記事を書くことにしました。


まちの魅力は、住民一人ひとりがまちを”どのように記憶”したか(たとえば、○○公園で何をしてどんな思い出があるか)、そしてそういった記憶がまちの中にどれだけあるか、じゃないかと最近思います。そういった記憶の積み重ねをつくっていくことが、まちづくりには大切なんじゃないかと。

「街のはなし」は、1970年代に宅地造成されて生まれた「たまプラーザ」が時を重ねて若い世代にとっての”故郷”になっていく ─ そのプロセスを住民の語りでつづった「町史」です。

(八ツ折りになっている小冊子版を広げた様子)

2014年に活動をスタートした「街のはなし」は、園児から80代まで毎年11人にインタビューし、2021年に100人の物語を集めました。「まちの中の好きな場所はどこですか?その理由を聞かせてください」という問いを投げかけ、得られた物語を本人の語り口調で忠実に書き起こしています。

百聞は一見に如かず。小冊子に収録された物語が公開されているのでぜひ一度読んでみてください。
https://note.com/machinohanashi/

先日私は、文章校正を兼ねた朗読会に参加し、2つの物語の朗読に挑戦しました。物語の語り口調や場所の描写から、その人の雰囲気や風景を想像できて楽しかったですし、「そういう時代だったなぁ」と当時の社会情勢やライフスタイルも見えてきました。また、「いまその場所はどうなっているんだろう?」「その人はどうしているんだろう?」と、その物語の「今」と「これから」にも思いが向きました。

(全9回の朗読会で、校正を兼ねてすべての物語を朗読しました)

実は、物語のタイトルは話し手の名前や地名ではなく、緯度と経度で示された「座標」になっています。

理由は、プロジェクトを立ち上げたアーティスト 谷山恭子 さんが震災ボランティアで痛感した「自分の存在とは、過去の人間関係や記憶、記録にもとづいて在る」ということがベースにあります。そして、「どの場所も等しく大切な場所である」という思いから、数字だけで表す座標をタイトルにしたそうです(引用:「こんにちは. 「街のはなし」をかたります.」)。

考えてみれば、私が(四国の片田舎で)幼少時に遊んだ空き地や小川は、いつのまにか商業施設や住宅地に変わっていました。その場所を「今は○○になっている場所」と説明しても、さらに別のものに変わっているかもしれません。けれども、地図を重ねるように座標で示せば、特定の場所の思い出を積み重ねられる。なるほどなーと思いました。


今回のクラウドファンディングは、これまで発行してきた小冊子vol.1からvol.9を1冊の書籍(全448ページ)にまとめるためのものです。「小冊子のままでいいんじゃない?」と思った方がいらっしゃるかもしれませんが、完成した書籍は学校や図書館等へ寄贈される予定です。つまり、単に残すだけではなく、「ひとつのまとまった史料」として今後地域で活用されやすい形にすることを目指しています。文章だけでなく、収録されている写真も貴重なものがそろっています。

(朗読会では、一般参加者も含め一人ずつ物語を読んでいきました)

「先の見えないVUCAの時代」とよく言われますが、そんな時代だからこそ、自分が暮らすたまプラーザのまちの変遷を知り、未来へ活かす力になるといいなと思います。

ご支援をよろしくお願いします。

100人のナラティブ・地域の変遷と社会の変化を伝える記憶を記録する本
たまプラーザ「街のはなし」書籍化プロジェクト(シンカブル)
https://syncable.biz/campaign/2643

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キッチンカーを使った動くローカルメディア「萬駄屋(よろずだや・駄は“駄べる”の意)」を軸とし、まちのあちこちのコミュニティをつなぐ「コミュニティブレンド」に取り組んでいます。合言葉は「地元ジャーニーしよう!」。メンバーは仕事をしながら各自のスキルや関心を生かして地域で活動しています。
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