【プロボノ活動】日体大FIELDS横浜がつないだ思い ~熊本震災を風化させない
お店の義援金を熊本へ届けたい
昨年夏のこと、藤が丘でイタリアン料理店「ナチュラーレ・ボーノ」と惣菜店「TENZO」を営む植木さんから、スパイスアップ編集部に電話がありました。
「お店の熊本震災義援金を熊本へ送りたい。スパイスアップの熊本出身のライターさんから、熊本へ届けてもらえないだろうか」
という相談でした。お店では2016年4月の震災直後からレジ横に義援金箱を置き、いまもなお仮設住宅で暮らす方々がいる現状※を伝えています。その義援金箱には、まもなく4年経つ現在もお客さんからの支援が集まっているというのです。
※応急仮設住宅等への入居は、2020年2月29日現在で502戸(出典:熊本市ホームページ)
植木さんはその義援金を、どこか知らない団体よりも「この人に」と思える人に託したい、と思っていました。スパイスアップの連載企画「なでしこ1部昇格への道」のライター住永光代さんが東京熊本県人会事務局の人だと知ったとき、「ついにその日が来た」と思ったそうです。
支援をサッカーボールに託す
植木さんは、管理栄養士・薬膳アドバイザー監修の「アスリート弁当」をTENZOで開発したり、社会人選手らの食事をサポートするなど、栄養面から 日体大FIELDS横浜 の選手やスタッフを支えてくださっている地元の熱いFIELDSサポーターです。そこで私は、FIELDSの熊本出身の住永楽夢選手(現 AC長野パルセイロ・レディース所属)にも相談しました。
すると住永選手は、「ニュースで熊本の震災のことがあまり取り上げられなくなったいまも、自分たちの知らないところで支援してくださっている方々がいることを改めて実感した。感謝の気持ちでいっぱい」と話し、 同郷の茨木美都葉選手(現 日体大 新4年生)、村上すず選手(現 日体大 新4年生)と共にナチュラーレ・ボーノへ御礼に向かいました。
植木さんと3選手は、この義援金をどこに届けるかを相談。彼女たちが熊本で同じ女子サッカーチームにいたことから、そこへサッカーボールを贈ることになりました。
遠く離れた故郷の後輩へ
3選手が所属した FCKマリーゴールド は、熊本を中心に活動するサッカークラブです。レディースチームの他に、スクール、ジュニアチーム、ジュニアユースチームがあり、総勢400人の子供たちがサッカーに打ち込んでいます。
── 熊本で小学生のときに一緒にサッカーボールを蹴っていた3人が、地元を離れ、同じ大学に入学して再びチームメイトに。そしていま、自分たちを応援してくれる横浜のお店の熊本支援を、サッカーボールに託して故郷の後輩へ届ける。 ── 本当に不思議なご縁です。
村上選手は「熊本から遠く離れた横浜で、こうしていまも支援してくださる方々の想いを後輩に届けられるのは本当に幸せ。後輩たちにも、感謝の気持ちを持ってサッカーを続けて欲しい」と語り、また茨木選手も「熊本を支援してくださるたくさんの方々のおかげでサッカーボールを贈ることができた。そうした方々の思いも胸に、日々うまくなれるようにボールを蹴って欲しい」と、マリーゴールドの後輩たちへメッセージを送りました。
ナチュラーレ・ボーノから預かった義援金は42,382円。東京熊本県人会事務局にもご協力いただき、4号球12個と5号球12個、計24個ものサッカーボールをマリーゴールドへ贈ることができました。
後日、マリーゴールドから届いた写真がこちらです。
ボールの一部はマリーゴールドのフェスティバルで使用したほか、予定していた2、3月の大会は新型コロナウイルスの影響で中止になりましたが、4月の熊本県サッカー協会の総会で協会へ贈呈するそうです。今後、県のトレーニングセンターなど多くのジュニア選手が使うことになります。
下の写真を見て、3選手のいまのボールを追いかける姿と変わらないな、と笑。みんな本当にサッカーが大好きなんですね。
思いをつなぎ、強さに変える
茨木選手は2020シーズン、日体大FIELDS横浜の選手としてなでしこリーグ2部でプレーするだけなく、日体大女子サッカー部の主将として大学生チームを引っ張る存在でもあり、 大学選手権三連覇にも期待がかかります。
横浜市青葉区の皆さん、ぜひ私たちのまちを拠点とする日体大FIELDS横浜、および日体大女子サッカー部の2020シーズンにご注目ください。
またナチュラーレ・ボーノでは、引き続きレジ横に熊本震災義援金箱を設置しています。こちらへのご協力もよろしくお願いいたします。
スパイスアップ編集部では、2019シーズンより日体大FIELDS横浜オフィシャルサポーターズクラブ BLUES の事務局運営をプロボノとして行なっています。運営に興味のある方、クラブとのコラボレーション等をご希望の方は、お気軽にご連絡ください。