青葉台駅から北の方向に伸びた商店街の中ほどにある桜台の交差点。今回は、ヤマセングラスワークス の堀部さんからのご紹介、ベーカリーカフェCOPPET(コペ) の代表、奥山 誠(おくやままこと)さんです。お二人は「青葉台でフェイスtoフェイス(AFF)」の発起人であり、青葉台に暮らす人々と店舗を繋ぐイベントを企画されています。焼きたてのパンを目当てに来店が続くカフェコーナーの一角で、奥山さんにお話しを伺いました。

コペニョンのバッジ、いろいろな種類を作ってしまったと、嬉しそうな表情で話す奥山さん
◆東日本大震災をきっかけに作られた 顔の見える結束。

コペのパン (Twitterより)
2011年の東日本大震災に伴って計画停電が行なわれ、外食や買い物を自粛する気運が日本全体を覆うことになりました。商店と、住居が隣接する青葉台地区はいつもの活気を失い、商店のオーナーたちは危機感が募っていったといいます。

早朝からパンを買いにきてくださる早起き世代の購入が続いて夕方には品薄になってしまうことから、共働き世代にも届けられるようにと、Twitter で夕方の焼き上がりを配信しました。

生地の仕込みを1日に2回なさるのですか?「お子さんと一緒に夕方来店される方が笑顔で選んでくれる。それが嬉しくて、作り置きはしないですね」

何かをしなくては。震災をきっかけに、街の人たちを笑顔にする努力は本業に止どまらず、青葉台LOVEな人たちと共に、「AFF」「優太組」「青葉台BGMプロジェクト」「桜台ちょい呑みGO!」といった活動へ拡大しています。あざみ野の漢方サント薬局の山浦さんが書かれた、奥山さんとの出逢いに関するブログを紹介します。

山浦卓のブログ『ちょっと健康にイイ話』
Bakerycafe COPPET(ベーカリーカフェ・コペ)の奥山誠さんのこと。(2013年7月5日)

SNSで知り合ったとしても、顔を合わせて話す機会を大切にしている奥山さんのお人柄が表れたエピソードです(AFFができた経緯についても、山浦さんのブログをどうぞ→ 青葉台でフェイスtoフェイス Aobadai de Face to Face(AFF)のこと。(2014年11月26日)

◆優しい表情に宿る、武道と球技で鍛えた体力と精神力。
学生時代のラガーマンの奥山さん

小学校3年生から中学3年生まで剣道を、そして高校時代からお店を任される26歳までラグビー部に籍を置くスポーツマンでした。

「剣道は半ばイヤイヤで、しかし止めたいと言い出せず続けていました」と謙遜なさる奥山さん。礼儀を重んじ、厳しい寒さの中での練習がある武道と、相手に果敢に立ち向かい、パスを回していく球技を長く続けたことが、体力と精神力を育てたに違いありません。  

進路を考えていた16歳の時、お姉さんが買っていらしたCOPPETのパンがきっかけとなり、COPPET先代のオーナー清宮さんを訪ね、クラブ活動の無い日曜日、始発の電車でお店に出勤しアルバイトを始めることになりました。

高校卒業後はオーナーの勧めもあって製菓を学び、本格的にパンを作る道に進みます。修行時代は、COPPETの建物の2階にある美容室に勤務していた同世代の若者と、休憩時間が重なるたびに、手荒れの辛さや早朝出勤の大変さなどを分かち合って過ごしたそうです。「パン生地ですか?僕の愚痴やつぶやきを色々受け止めてくれていましたよ(笑)」

ヤマセングラスワークスの堀部さんとは、当時からのお知り合い。23歳から愛用している奥山さんの眼鏡は、すべてヤマセングラスワークスのものだそうです。

◆おもしろいオトナがたくさんいないと子供たちは育たない。

街を盛り上げる色々な企画の中心には奥山さんあり、と感じるのですが、朝も早いお仕事柄、大変ではないですか?「息子でもない僕にCOPPETを任せてくれた先代のオーナーへ、そして堀部さんを始め、育ててもらった周りの人への恩返しです。ラジオ番組を持ったのもそう。パン屋さんがラジオ番組やっていませんよね。面白いかな、と思って」

青葉区のコミュニティーFM「FMサルース」からお話しがあり、3ケ月の期間限定で始めた「Bakery cafe COPPET Presents 佐々木優太のミュージックデニッシュ」は、現在も継続して配信しています。

そして、株式会社セミ・チャームドライフ・アソシエイツ新谷竜輔 さんとの出逢いで、奥山さんが関わる音楽の街、青葉台は加速しました。さまざまな業種の店頭でプロミュージシャンが音楽を奏でる「青葉台BGMプロジェクト」や、COPPETや LEAD さんを会場にして、都心に出なくても子供たちが入場可能な「namaoto(ナマオト)」など、大人も子供も楽しめる企画の中心に、奥山さんがいるのです。

◆奥山さんは美味しい?!

店内で使われているシュガーポットやお皿は奥山さんの作品です。もともと市ケ尾の陶芸教室に通い始めたのですが、現在も奥沢に移られた先生の元へ通い続け、もう10年になります。「パンに奥山さんが入っているみたい、とお客様に言われます」。パンを作るだけでなく、どのように届けるか、その熱いエネルギーや優しさがお客様に伝わるのですね。

お店のマスコットキャラクター「コペニョン」も一役買っています。絵本だけでなく、缶バッジ、そしてLINEスタンプもあるコペニョンは人気者です。
「スパイスアップ」2016年冬号 にもコペニョンが登場します。紙面の中のどこにコペニョンがいるのか、探してくださいね。全部で3匹!)

「COPPETは交差点に建ってるじゃないですか、お店から交差点を見ていると、椅子があると便利かなと思うんです。青葉台の街に、ベンチを置くことを考えています」。

(Twitterより)
確かに!お店の看板の前には椅子が2つ、置かれていました。信号待ちのご夫妻が座るのかも知れません。そんな風に日常の生活を楽しくする、美味しくする、便利にする。街を、そして次世代の子供たちも見護る奥山さんの活動は続きます。


(この記事内の数値データ、組織名、役職名、製品・サービス内容等は、取材時の情報です。)

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